今回は、大企業から中小企業・ベンチャー企業へ転職するとどうなるのか?についてお話しをしたいと思います。
筆者自身が大企業と中小企業、ベンチャー企業をすべて経験しており、その体験談がみなさんの会社選びに役立つのではと思いました。また、筆者の周りにも大企業→ベンチャー企業経験者が複数いますので、こちらの状況などもお話しします。
大企業、中小企業、ベンチャー企業の特徴
大企業の特徴は?
大企業の特徴としては、社員数が多いため、一人の担当する分野が狭い印象です。例えば人事なら人事でも、労務、給与計算、採用等のそれぞれ担当がおり、その担当者がスキルを深めていくことが多いです。もちろん、人事異動があれば他の分野も経験できますが、「深く・狭く」のスキルが身につくように思います。
待遇面ではやはり恵まれています。投下した時間・労力に対してのお給料が高いです。加えてお給料だけではない福利厚生や、有形無形の会社のネームバリュー等もあります。
中小企業の特徴は?
中小企業の特徴としては、社員数が少なく、一人社員が担当する範囲が広く、そして仕事量が多いです。広く浅くさまざまな仕事を担当している社員が多いです。
一方で、仕事のアウトプットの精度は劣ることがあります。これは社員数が少ないため、高い技量の社員が少なかったり、あまり技量を高める場がなかったりすることに起因します。
中小企業はその利益の構造上、大企業に比べると待遇面で劣ります。投下した時間・労力に対してのお給料は低くなります。
また、中小企業の中には「隠れ優良企業」といわれる経営体質が健全な企業がたくさんあります。一見地味ですが、これらの企業は社会になくてはならないものを長年製造していたり、景気に左右されない収益構造をもっている会社も多くあります。
ベンチャー企業の特徴は?
ベンチャー企業はステージにもよりますが、ハードワークな会社が多く、会社のルールや制度が整っていないことが多いです。また、知名度が低い会社が多いため、売上があがらなかったり、収益が厳しいところが多々あります。
ベンチャー企業全般にいえますが、少人数の若手で会社を回している場合、会社というより、大学のサークル的雰囲気で仕事をしているケースをよく目にします。出社退社時刻も人によってまちまちですし、在宅勤務もOKの会社が多いです。
一方で、経営者が有能だったり、一部の天才的な技術者が率いている会社も見られ、このような会社は非常に収益を得ていたりもします。ベンチャー企業は、ポジションの空きが多数あるため、入社1年後に取締役に就任する、ということも多々あります。
待遇面ですが、お給料が低い会社が大半です。また仮に高給だったとしても、激務だったり、会社の収益的に高給は長く続かないといったことが多々見られます。
中小企業やベンチャー企業に転職して見える景色
大企業から転職してみて感じるのは、まず「大企業にあるものがない!!」ということです。「ない」というのは、待遇だったり、安定感だったり、制度だったり、人材だったり、あらゆるものがありません。信じられるのは、自分のスキルのみという世界なんですね。
大企業からベンチャー企業に転職すると
ベンチャー企業の場合は、一見、華やかに見えますが、中で働いている人はみな必死です。朝から晩まで働き続ける人が多いです。
ですので、「17時になったので帰れる」という感じで定時になったので帰ります的な雰囲気の会社は少ない印象です。
ベンチャー企業ですと、会社の信用だったり、資金力だったり、あるいは社内制度など、あらゆるものが不足している(=これから整えていく)ので、荒野に家を建てていくようなイメージでしょうか。
大企業からベンチャー企業に転職すると、あらゆるものが「ない」のでカルチャーショックを受けると思います。
ベンチャー企業では、毎日、いろいろなトラブルが起こります。トラブルシューティングの日々になることが多いです。大企業で習得したスキルを総動員してトラブルを収束させ、会社を本来の業務に集中できるよう、軌道に乗せる必要があります。
大企業から中小企業に転職すると
大企業は社員数が多いため、管理職のポスト争いも熾烈なものがあります。一方で中小企業は比較的、年功序列的なものの、優秀であれば管理職になるのは容易です。
大企業から中小企業への転職はしやすいです。隠れ優良企業であれば、大企業での経歴を買われ、すぐに管理職に就くことも多々あります。
隠れ優良企業は、一部上場企業ほど年収は高くないものの、社内がのんびりしていたり、ワークライフバランスが取れていたりもします。
スキル面では、中小企業では広く浅く、いろいろな仕事に取り組むことが可能です。担当した仕事に前向きに取り組み、戦略的にキャリアを構築すれば、他社でもつぶしが効くスキルセットを得ることは可能です。